HOME > コンサルティング > 経営コンサルティング > 事例一覧  > 成果主義人事制度の再構築
数年前に目標管理制度・コンピテンシー基準・管理職の年俸制を整備し、成果主義の人事制度を導入したが効果が上がらず、むしろ社員の不公平感の増大や挑戦意欲の減退を招いている。社員の自律性を喚起し、経営目標の達成に向かって皆が活き活きと取組むような仕組みに変えて行きたい。
成果主義の人事制度に移行する際、能力レベルを処遇に反映する仕組みを止めたこともあり、自己啓発意欲や部下育成の姿勢が後退気味である。
特に、熟練技能者の定年退職が相次いでいる製造現場ではモノづくりのレベルが落ちており、早急に対策を講ずる必要がある。
人事制度の流行に押され、根幹をしっかりさせないまま形だけの導入になっていた面があった。運用段階で様々なマイナーチェンジをして対処してきたが年々一貫性が失われ、社員や組合への説明に苦慮するケースも発生していた。こうした状況を受け、「骨組みは10年程度は直さなくても良いように設計する」という方針で検討した。
コンピテンシー基準は、非定型業務を担う職種や係長クラス以上のベテランには有効であるが、若手・中堅が実務を覚える過程では以前の職能要件書が不可欠だという認識から、以下の二つの要件書を作成し、 社員に求める能力をできるだけ具体的に整理した。
一般職の基本給は、評価を反映していたものの、給与レンジという考えが無く結果として年功色の強いものになっていた。これから世界の市場で海外メーカーと戦っていく必要性等に鑑み、年功色を無くし、能力と成果で昇給が決まる仕組みを導入した。
10年来運用してきた方針管理と5年前に導入した目標管理制度が並存していたため、社員の負担が重く、どちらを重視して処遇を決めるのか混乱もみられた。また、多くの企業に見られるように、結果重視の弊害から挑戦的な目標を立てたがらないという傾向も強かった。
従来から社長は必要性を唱えていたが、現場の意識が追いつかず、なかなか実現しなかった。技能保有者の殆どが数年内に退職してしまう実態を踏まえて、8名を至急認定し、いち早く伝承制度をスタートさせた。
職責の重さは、役職(ポスト)本来の責務だけでなく、取組むテーマの革新性で年度ごとに判断する仕組みにしたため、 挑戦的な目標設定をする社員が目立って増えた。
成果を判断する際の職責遂行度に占めるプロセスのウェイトを高く設定したことも、挑戦を促すことに効果があった。
業務能力要件書を使ったOJTが効果的に行われるようになり、一般職が実務を習得するスピードが速まった。
また、工場は多能工化(業務能力要件書の複数業務を習得すること)を昇格の条件としたため、従来掛け声倒れになりがちだった多能工化も着実に進んでいる。
業務能力要件書を作成する過程で3工場間のレベル合わせを行い、標準化や高度化を進めるベースを作ることができた。
その後、この会社では業務能力要件書のメンテナンスを定期的に実施することで、業務内容の高度化を一層進めている。
年齢や経験年数とは関係なく能力や成果で昇格する仕組みに移行した結果、若手の管理職への登用が進んだ。従来よりも5歳程度若い課長や部長が何人か出現し、組織の活性化に役立っている。
新人事制度の移行に伴って、新しい能力評価基準に基づいて能力クラスの見直しを実施し、新給与レンジを適用した。その結果、若手や中堅社員の優秀者が昇格・昇給する一方で、中高年層の一部には新給与レンジを上回って調整給が発生する社員が発生した。調整給は、限度を設けて消却した結果、人件費構造の改善を短期間で進めることができた。
また、給与カーブの中堅層までがベースアップされフラットになったことで中途採用で優秀な社員を獲得することが可能になった。
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