コンサルティングの一般的な手順
「グループ経営の再構築」のケース
1. コンサルティングの依頼
A社概要とコンサルティングニーズ
A社グループは地方の中核都市において運輸、流通、建設、情報、観光、ホテル等を幅広く営む地域の有力企業グループ。経済成長期に次々と事業多角化を進めてきたが、近年は地域経済の低迷の影響を受け、グループ連結利益が赤字に転落。 経済環境が悪化の中でも利益を出し続ける強い企業グループへの再構築を社内で議論したが、論点が多く議論がかみ合わず収束しない状況に。このため社長は、論点を整理しながら筋道を明確にして検討を進めるには外部の専門家の活用が必要と判断。
2. 予備調査(課題形成)
予備調査(2週間)
A社グループからコンサルティングの依頼を受け、コンサルタント3名によるチームが編成される。ニーズに沿った的確な本調査テーマ並びに調査計画を立案するために、まず予備調査を実施し、本質的課題のあぶり出しを行った。
予備調査(課題形成)の結果
グループ全体を利益体質に変えていくためには、以下に示すグループ経営の各領域を、手順を踏んで総合的に検討することが必要と判断。
3. 本調査(改善立案)
本調査(10週間)
コンサルタント3名に社内からのメンバー4人が加わったプロジェクトチームが編成される。グループ経営の再構築にあたっては、グループ経営者層の中での意思固めが何よりも重要と考え、毎週金曜日に取締役全員が集まり、プロジェクトチームが作成した叩き台を1日かけて議論しプランを練り上げて行く方式を採用。
本調査結果(改善立案)の一例
下図は、プロジェクトチームが取締役との協議を通してまとめた「グループ再編(組織)」に関するアウトプットの一端である。中核会社であるA社の事業部門も分社化または既存グループ会社への統合が望ましいとの結論となり、結果的にA社には事業部門が残らず、A社グループは持株会社のもとに各事業が横並びとなる体制へ移行することとなった。